【背景】
盛岡を拠点に活動する2人のデザイナーと1人の写真家の為のシェアオフィス。場所はウナギの寝床のような間口の狭い建物の2・3階を新しい拠点として選ばれ、内装のデザインを依頼されました。そのエリアは偶然にも『盛岡町屋』という歴史的なストーリーがあり、その面影が残る地割が建物にも現れていた事が地域に根差そうとするクライアントとの縁が感じ取られました。
また、予算が限られていたため、改修する箇所を限定し、『盛岡町屋』の地割の特徴を活かした”通り土間”をモチーフとするオフィス空間をデザイン。
具体的には、スケルトンにした内部空間に、新たに執務空間となる箱を挿入。既存のコンクリートと木の仕上げの対比が通り土間の半外部と内部をイメージと同調するように仕立てました。
街を歩いていて何気なく入り込んでしまうような街の延長となるようなオフィスを目指し、地域に根差した活動を行うクリエイターの働き方に合わせるように、街との関係性や歴史を内部空間に引き込むような状態を目指しました。
【こだわりポイント】
地域に根差すクライアントと地域の歴史が残る建物をリンクさせたデザインコンセプト
ローコストでクライアントの要望と東北での生活環境を担保するデザインと性能設計
デザイナーたちの働き方や将来の変化に対応できる余白をデザイン
【物件概要】
主 用 途 :事務所
所 在 地 :岩手県盛岡市
改修面積:99.00㎡
所在階:2・3階
構 造:鉄筋コンクリート造
【プロジェクトメンバー】
意匠設計:NoMaDoS / 千葉光、乙坂譜美、五十嵐理人
構造監修:EQSD一級建築士事務所
機械設備監修: NoMaDoS / 高橋良輔
施工:有限会社美建工業
通り土間と執務空間の木質BOX
執務エリア
4連ポリカ引戸を閉めた状態
執務エリアから土間を見る
まちから続く通り土間
休憩スペース
階段から通り土間を見下ろす
大判木タイルのように見せるディテール
階段手摺ディテール
4連ポリカ引戸詳細